ルポ 貧困大国アメリカ(堤未果) [本の紹介★★★★★]
アメリカで、全国民が健康保険に入ることのできるよう定めた法案が可決されたニュースを聞きました。それで思い浮かべたのが今回紹介する本。貧困者が立ち直れない社会、貧困者を食い物にするアメリカの社会の現状を暴きます。
2008年1月に発行され、私がもっているのは5月に印刷された13版。高い人気に、今年1月「II」が発売された。ただしIIは読んでないので、今回紹介するのは無印のみ。
アメリカの医療費は高く、たとえば盲腸手術で200万円を越す場合もある。これまでは、日本のような皆保険制度はなく、医療保険の入会者は少ない。そして保険ごとに病院が指定され、さらに細かい規約があり保険金を得るのも困難であるから、中流階級の被保険者ですら一度の病気で経済的な破滅に見舞われる。
医療問題のほか、食、軍事制度、教育、災害対策などにおいて、貧困者を対象とし、貧困者を前提とし、あるいは貧困者を無視した経済や社会体制の存在をつきつける。資本主義を是とする人であっても、行き過ぎた市場原理に思わず憤慨し、同時に恐怖するでしょう。
2010-03-27 19:44
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