人国記・新人国記(人国記、著者未詳。新人国記、関祖衡。浅野建二校注) [本の紹介★★]
現代では、都道府県別のお国柄やそこからうまれる県民性などを分析した本は数多く出ています。その元祖とおもわれるものが、この『人国記』。江戸時代のことですから、当然都道府県別ではありません。分国別です(武蔵国とか山城国とか肥前国とか)。
今回、このブログで取り上げるまでは、現代に残る多くの書物同様に『人国記』もまた江戸時代にかかれたものと思っていました。しかし武田信玄も読んだと伝わることなど、江戸時代以前よりすでに成立していたようです。そして江戸時代の初期になって、関祖衡と言う人が地図などを加え『新人国記』が成立しました。
検索していて気づいたのですが「人国記」という言葉は「風土記」という言葉と同様、一般名詞化しているようですね。私自身はこの本に出会うまで「人国記」という言葉を知りませんでしたが……。
われら肥前人は、人国記では勇敢(だけど馬鹿とか「音声下劣(野鄙)」)と評価されております。
「音声下劣」とは、言葉が田舎くさいのか、声を張り上げて品格が無いのかわかりませんが、秀吉の時代の肥前というか佐賀龍造寺・鍋島勢に関係有りそうなエピソードがあります。「行軍中は、ぺちゃくちゃしゃべっていてだらしない」とのことで秀吉に近い人に非難されました。しかし秀吉は、「そのようなやり方でこれまで武名を上げているんだから口出しすることじゃない」と、たしなめたそうです。
関係ないところですがひとつだけ物産も紹介すると、小城羊羹も有名らしいです。有名であることを知らないぐらい地元では当然でしたが、表面の固い昔風の羊羹が多く残っているのは佐賀県だけらしいです。甘いものは多いですよ、シュガーロードですから。
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