サムライとヤクザ ―「男」の来た道 [本の紹介★★★]
「男」とは何であったか。
著者はまず、戦国時代や江戸時代初期の史料を引用し、かつて「男」は単なる生殖上の区別ではなく「戦闘者」を指す言葉であったことを示した
そしてその戦闘者としての「男」が、江戸時代以降(近代に至るまで)どう移り変わったかを分析する。
武士は元来戦闘者であるにもかかわらず、時代とともに「男」性を喪失し、そのギャップに苦しむ。
それは都市生活者である旗本に顕著である。
一方、武士と言いづらい下級の武家奉公人や、全く町人であるヤクザによって、「男」は(良くも悪くも)継承された。
本書に描かれる、身分の低い「男」達、そして軟弱化した「武士」の姿に、同性として悲しみを含んだ共感を感じた。
2012-11-25 15:48
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