黒人大学留学記―テネシー州の町にて(青柳清孝) [本の紹介★★★★]
黒人大学留学記―テネシー州の町にて (1964年) (中公新書)
- 作者: 青柳 清孝
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1964
- メディア: 新書
あえて黒人の大学に留学した著者がその経験や実感を中心に、アメリカの黒人差別についての考えを述べている。といっても留学したのは1956-1958年、発行が昭和39年だから、かなり古い時代のものである。法的には保障されていたとはいえ、選挙に参加することも困難だったという時代。
アジア人は有色人種とはいえ、黒人とちがって一応白人社会で受け入れられる存在だったという。しかしあえて黒人社会に身を投じた。黒人を陽気ながらも教養とは程遠い人間が多いと冷静に評価し、自身の中に無意識のうちにある偏見も吐露している。身の回りの学生や町の人、黒人経済、アメリカの社会と幅広い視点を扱い、それを一気に読ませる文章であった。
2010-01-09 20:16
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