日本の漢字(笹原宏之) [本の紹介★★★★]
タイトルを見た瞬間ひらめき、手にとって中身をパラパラめくると、期待通りのような内容。実際に読んでみると、期待以上の面白さでした。
国字、つまり日本で作られた漢字は多く、また筆記のために簡易化された文字もたくさんあります。それらを歴史的に振り返り、時に中国などの漢字とも比較します。
造字の容易な「漢字」は社会や文化に根付いて変化します。裃(かみしも)や麿(麻呂が一文字となった)などは、日本文化の生み出したものといえます。また地名には、ほかの場面では使われない文字も多く見つかるそうです。
筆記の簡易化も、新しい文字を生み出します。旧字体から現在の字体への変化もそのひとつです。「広」という字、これは戦後に作られた字といわれていたようですが、少なくとも広島では戦前からこの字体を使っていたとのこと。
世間に広く使われずとも、一部の社会(地域であったり業界であったり)で通用すれば、それは「字」であるというところが漢字の不思議なところです。
2010-04-10 22:08
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