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禁酒法―「酒のない社会」の実験(岡本 勝) [本の紹介★★★★]

ほとんど一年ぶりの更新となってしまいました。
仕事で色々良くないことがあったり、地震でおちこんだり、ログインパスワードが分からなくなったりして…。


禁酒法―「酒のない社会」の実験 (講談社現代新書)

禁酒法―「酒のない社会」の実験 (講談社現代新書)

  • 作者: 岡本 勝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/01
  • メディア: 新書


イスラム文化圏を別とすれば、酒は文化の中心的なものの一つと思っています。
それを禁止するとは、暴挙と思っています。

本書によると、18世紀後半のアメリカでは、人前での泥酔は罪であった(現代でも人前で泥酔するのはアホらしいですが)にもかかわらず、酔っ払い達が多く殖えていました。また、酒場は売春婦などが多く、いかがわしい場所でした。
知識人や女性たちは、それらに眉をひそめて居ました。
さらに、産業革命以後、効率化のために酔っていない労働者が必要となりました。
そのような勢力が一体になり、州法改正、さらには憲法改正により、酒を禁止していったのでした。

まずは酒屋を禁止し、ウィスキーなどハードな蒸留酒を禁止し、そしてビールさえも禁止。
この大変厳しい法律ですが、医療用や、購入と飲む事自体は合法など、抜け道は多いものでした。

「実験」の結果、闇酒場が殖え、法律軽視の風潮を産み、一方では会員制闇酒場からは売春婦が消えて行きました。
しかし問題は大きくなり、やがて禁酒法は廃止されることになりました。
その結果、現代のアメリカの酒環境が生まれたのです。

タイトルの「実験」という言葉の割に、その結果があまり詳しくないのが拍子抜けです。
しかし禁酒法にいたるまでの、積極派や穏健派、反対派の政治運動など、大変興味深いものです。


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