佐賀北の夏 甲子園史上最大の逆転劇 [本の紹介★★★]
2007年の夏の甲子園は佐賀北が優勝した。佐賀県出身の私は今でも思い出すたびに心底が湧き上がる。幸運にも甲子園球場で感染できた準々決勝の帝京線は、圧巻であった。
さて、今回紹介する本は、その夏の佐賀北の躍進の背景と経過を纏めたもの。2008年に上梓されたものが昨年の夏になって文庫版となった。
過去に甲子園に導いた経験のある百崎*監督の往来と監督としての苦悩、百崎を支える部長の吉冨、各選手の心情について、大会以前にさかのぼり、解き明かす。
話は大きく、4つの章に分けて進む。監督の10年日記にみる心の中、思わぬ帝京戦での勝利と吉冨部長の勝算、大会前の選手の不満と不協和音、そして勝算なき決勝。
思い返せば、開幕試合に始まり、引き分け再試合、そして決勝の逆転劇など、佐賀北のための夏だった。しかしその感傷に溺れない著者の筆が光る。
*(百崎の「崎」は、正確には「奇」の上部は「大」でなく「立」)
おおー知らない間に「佐賀北の夏」が載ってる。
よかったよかった。
by 三重の人 (2012-01-19 20:16)