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ルポ 貧困大国アメリカ(堤未果) [本の紹介★★★★★]


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 新書


 アメリカで、全国民が健康保険に入ることのできるよう定めた法案が可決されたニュースを聞きました。それで思い浮かべたのが今回紹介する本。貧困者が立ち直れない社会、貧困者を食い物にするアメリカの社会の現状を暴きます。
 2008年1月に発行され、私がもっているのは5月に印刷された13版。高い人気に、今年1月「II」が発売された。ただしIIは読んでないので、今回紹介するのは無印のみ。

 アメリカの医療費は高く、たとえば盲腸手術で200万円を越す場合もある。これまでは、日本のような皆保険制度はなく、医療保険の入会者は少ない。そして保険ごとに病院が指定され、さらに細かい規約があり保険金を得るのも困難であるから、中流階級の被保険者ですら一度の病気で経済的な破滅に見舞われる。
 医療問題のほか、食、軍事制度、教育、災害対策などにおいて、貧困者を対象とし、貧困者を前提とし、あるいは貧困者を無視した経済や社会体制の存在をつきつける。資本主義を是とする人であっても、行き過ぎた市場原理に思わず憤慨し、同時に恐怖するでしょう。


湖魚と近江のくらし(滋賀の食事文化研究会) [本の紹介★★★★★]


湖魚と近江のくらし (淡海文庫)

湖魚と近江のくらし (淡海文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: サンライズ出版
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: 単行本


「滋賀県で淡水魚を食べる」で紹介済み。
 滋賀県でどんな淡水魚がどのように食べられるかというほか、漁法なども紹介されている。漁法といってもプロによる大規模なものだけでなく、タモや瓶漬けといった子供の遊びのようなものまで。じゅんじゅんというのは、すき焼きのような味付けだろうか。読んで楽しく、腹が減る本です。
 巻末には滋賀県の淡水魚を扱っているお店一覧も載っています。佃煮やの割合が多いようですが。


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ジャガイモのきた道 ―文明・飢饉・戦争(山本紀夫) [本の紹介★★★★★]


ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

  • 作者: 山本 紀夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 新書


 今日はお勧めの一冊を紹介しよう。
 2008年(岩波新書の当たり年かと思っている)に出された、ジャガイモの歴史の本である。著者は農学博士であるが、学者としての専門は民族学である。
 同時期に中公新書からもジャガイモの本が出版されているのを書店で見たが、長時間立ち読みし内容を吟味した結果、本書を購入した。
 話はジャガイモの原産地アンデスに始まる。野生の小さなジャガイモが自生し、その一部が栽培品種化されている。文明の発生条件としては、一般に保存性の高い穀物を主食とすることが必要とされるが、アンデスの高地ではとうもろこしの栽培も困難である。かわりに、乾燥させて保存性を高めたジャガイモを主食とし、独自の文明を発達させた。
 現地での栽培、扱われ方、消費の様子など生活の中での具体的な使用に、多くのページが割かれている。毎日、ほぼ三食とも、ジャガイモを食べているのだ。それを支えるため、農耕技術も高度に発達している。有名な階段状の耕地も、標高の高い地域では大半がジャガイモ用である。
 また、ジャガイモが欧州にわたり、やがて日本にも伝わり、国内での広がりの様子も述べられている。
 民族学という言葉にときめきを感じる人なら、絶対に喜ぶ一冊である。


参考図書
ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書)

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木簡が語る日本の古代(東野治之) [本の紹介★★★★★]

 ブログ開始から最初の記事は、一番最近読んだ本を紹介しよう。
 他の版型でも出ているようだが、私が買ったのは新書。東京に用事で言った際に、神保町の古書店街にて購入。そして、その後の東京出張の間に読みました。
 古代に使われた木簡について、いくつかテーマにわけた内容だが、最初の一章が圧巻。出土した木簡くずにある正体不明の文字群が、中国の古典籍に拠っていることをつきとめ、いくつもの木簡くずが一枚の木簡から削りとったものであることを突き止めるにいたる過程は、科学(人文科学)の醍醐味を感じさせてくれた。それ以外も、木管に残る記録をもとに古代の生活を髣髴とさせる探求がなされている。
 星の数は4か5か悩んだが、当ブログで最初の紹介というご祝儀も少し込みで、星5つ。ぜひお勧めしたい。
木簡が語る日本の古代 (岩波新書 黄版 231)

木簡が語る日本の古代 (岩波新書 黄版 231)

  • 作者: 東野 治之
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1983/01
  • メディア: 新書



木簡が語る日本の古代 (同時代ライブラリー (319))


木簡が語る古代史〈下〉国家の支配としくみ


木簡が語る古代史〈上〉都の変遷と暮らし


万葉百話 木簡は語る




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